熱中症の一歩手前!夏の脱水に要注意

この記事の監修者
帝京大学医学部教授 / 帝京大学医学部附属病院高度救命救急センター長 / 日本救急医学会評議員・専門医・指導医 / 熱中症に関する委員会前委員長
三宅 康史

母体救命や精神科救急医療、救命センターにおける終末期の問題にも取り組んでいる。
著書に『救命救急・集中治療エキスパートブック』(日本医事新報社)、『熱中症〜日本を襲う熱波の恐怖〜改訂第2版』(へるす出版)など。

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  • 豆知識
2017.06.27

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2017.06.27

毎日暑い日が続いていますね。そんな時、特に気をつけたいのが熱中症。実は、熱中症になってしまう原因には暑さにくわえ、必ず「脱水」があるのだそう。夏の脱水は熱中症をはじめ、さまざまな体の不調を引き起こしてしまうことも。今回は、帝京大学医学部附属病院高度救命救急センター長の三宅康史先生に熱中症とその原因となる脱水症状の危険性、その対策について詳しくお伺いしました!

熱中症ってどんな病気?

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熱中症とは、夏の暑いときに起こる、さまざまな体の不調の総称のこと。代表的な症状には、めまいや立ちくらみ、吐き気などがありますが、三宅先生によれば、熱中症の定義は症状ではなく、症状が出る前の「前提条件」にあるのだとか。

「暑い場所にいる間に、または暑い場所にいた後に起こる体調不良は、すべて熱中症であるといえます。暑さによる発汗で脱水を起こし、体温が上がりすぎてしまうことが大きな原因ですね」(三宅先生)

三宅先生によれば、熱中症のタイプは大きく分けて2つ。
激しい運動などでたくさん汗をかいて脱水を起こしてしまうタイプと、ずっと暑い場所で過ごしている間に少しずつ脱水状態になり、じわじわと体が弱ってしまうタイプです。

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「特に気をつけてほしいのは後者です。暑さに対して不快感を感じやすい人は、すぐに冷たいものを飲んだり、エアコンを使う傾向にあると思いますが、辛抱強く何日もエアコンをつけずに生活していたり、それによる夏バテなどで食事量が減っている場合は、本人も気づかないうちに脱水を起こしてしまうことがあるんです。このタイプの熱中症は、体力を消耗していることが多いため、回復にも時間がかかってしまいます」(三宅先生)

熱中症の引き金は、暑さと「脱水」ということですね。実は、夏の脱水は、熱中症のほかにも、さまざまな体の不調を招くものなのです。

おなかにも影響が...夏の脱水はこんなに怖い!

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実は、夏の脱水によっておなかを下してしまったり、お通じが滞ってしまうことも。

「脱水状態になると、全身の血流が悪くなることで腸のはたらきが低下し、お通じが整わなくなってしまうことがあります。おなかを下してしまうと腸からの水分の吸収がうまくいかなくなり、大量の水分が排出され、脱水の悪循環に陥ってしまうことも少なくありません。また、腸が水分不足に陥り、お通じが滞ってしまうこともあります」(三宅先生)

ほかにも、汗をかくことで水分と一緒に塩分(ナトリウム)も排出され、血圧が低下したり、動悸が生じることもあるといいます。このような症状を防ぐためにも、こまめな水分補給は欠かせませんね。

「水分は、24時間、私たちの体から失われています。汗をかかなくても、肌からの蒸発や、吐く息などから出続けているんです。のどの渇きに気づく前に、こまめに少しずつ水分補給をするのが、脱水・熱中症を防ぐ為の有効な手段です」(三宅先生)

おなかの調子に合わせて選んで! 効果的な水分補給方法

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では、水分補給をする際のポイントは何なのでしょうか?

「ただ水分をとるという目的であれば、水でもお茶でも、スープでもOK」と、三宅先生。しかし、熱中症や脱水を予防する目的であれば、体調に合わせて使い分けるのが効果的です。

「スポーツやレジャーなど、汗をかく場合は、塩分も一緒に補えるものがいいですね。スポーツドリンクなら、安くて自動販売機でも買えるので、『喉がかわいた』と感じる前に、こまめに飲むようにしておくといいと思います」(三宅先生)

口の中がかさかさしてきたり、心拍数が増えたり、尿の色が濃かったりしたら、脱水になりかけている合図なので、気付いたときには一口、水分補給を心がけてください。

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「夏バテや脱水などでおなかの調子がよくないときは、スポーツドリンクよりも経口補水液のほうが吸収率がよく、胃腸を刺激しないのでおすすめです。その場合は、一気飲みではなく、少しずつ摂取してくださいね」(三宅先生)

どちらの場合も、体を冷やせるように、冷たい状態で飲むのがいいのだそう。

また、食べ物に含まれる水分も大切。夏バテで食欲がなくなると、食事からとる水分の量が減り、脱水を招いてしまうおそれもあるのだそうです。

脱水に気をつけて、暑い夏も健康に過ごそう!

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熱中症は、スポーツをする人だけでなく、体力が落ちてきた中高年〜高齢者にも増えている病気。屋外での活動だけが原因ではないので、比較的気温の低い夜や室内でも、油断はできません。三宅先生によれば、本格的に暑くなる前に体力をつけておくことも大切なのだそう。

「今のうちから軽い運動などをして、暑さと汗をかくことに慣れておくと、長期的な熱中症の予防になります。また、腸内環境は夏バテ、脱水、おなかの調子にも影響します。日頃から食事や生活習慣に気をつけて、おなかの健康を保つことも、とても有効な熱中症・脱水予防になるんですよ」(三宅先生)

丈夫な体とこまめな水分補給が、夏の健康には不可欠なんですね。今年の夏も暑くなりそう。お出かけの際は、冷たい飲み物をお忘れなく!

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この記事の監修者
三宅 康史

母体救命や精神科救急医療、救命センターにおける終末期の問題にも取り組んでいる。
著書に『救命救急・集中治療エキスパートブック』(日本医事新報社)、『熱中症〜日本を襲う熱波の恐怖〜改訂第2版』(へるす出版)など。

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